『龍馬伝』のおかげで週末が頗る楽しい。第7話も感動の物語が届けられていた。前にも述べたが、このドラマの素晴らしい点は、一年間放送が続く長編作品でありながら、一話毎の完成度の高さがあることで、45分間の中に起承転結の完結性があり、クライマックスが設定され、感動のボルテージを高めてフィニッシュを入れている。一話一話にキーのメッセージがある。ドラマの基本が押さえられている。最近の日本のテレビドラマに感じていた不満や欠点が、この作品では悉く解消されている感があり、基本に忠実なドラマ作りに大いに好感が持てる。第7話は親子の絆と愛がテーマで、龍馬の成長を見守りながら死を迎える老父八平の姿を描いていた。香川照之が
公式サイトで絶賛しているとおり、児玉清の演技が圧巻で釘づけにさせられた。「親の喜びは子どもの成長を見ること」。
無縁社会のいま、死期を悟った八平役の児玉清が病床から発した言葉は視聴者の胸を打つ。45分間の後半、龍馬の帰還を迎え、八平の死を見守る坂本家が描かれる。この『龍馬伝』のカメラが坂本家を捉える方法は、まるで
山田洋次の映画のようで、歴史であれ、何であれ、ドラマは家族をこそ描いて見せるものだという普遍的な鉄則を確信させられる。7年前、われわれが
韓国ドラマに感動したのは、そこに家族の問題が描き込まれていたからであり、日本のドラマにおける家族の不在が意識されたからだった。