一昨日(10/7)、「
東大寺大仏-天平の至宝-」の内覧会があり、上野の東京国立博物館に出かけてきた。光明皇后1250年御遠忌の特別展であり、平城遷都1300年を記念して博物館が開催する三番目の展覧会となる。一昨年は「国宝 薬師寺展」、昨年は「国宝 阿修羅展」が開催され、いずれも大盛況を博したが、今回がシリーズ最後の企画となり、満を持して東大寺の出番となった。日が暮れてすっかり暗くなった上野公園の中を歩き、午後6時に始まる開会式に間に合わせたが、招待客はすでに会場である
平成館1階のラウンジから溢れ、エントランスホールも立錐の余地もないほど人混みでごった返し、司会が開会を宣告する頃には玄関の外に長い行列ができていた。まるで新宿駅のホームで電車が遅れたときのようになり、人いきれのする空間で立ちんぼ状態のまま、スピーカーから聞こえる式次第に耳を傾ける時間が続いた。博物館館長、東大寺長老、読売新聞社長の順番で式辞が述べられ、列席した協賛各社の幹部たちの紹介と挨拶が延々と続く。詰めかけた招待客たちは、どれも品よく身なりのよい人たちばかりで、社会的地位を持った人々であることが一目でわかる。平素なら、立ちんぼ側に押し込められるのではなく、こうした式典会場で胸に花飾りをつけて賓客で並んでいる名士たちだ。ようやく開会式が終わり、東大寺僧侶による法要が営まれる中、2階の展示会場に上がって行った。