公示日がきた。4年前の
公示日の朝、一人の女性がワゴン車に乗って首相官邸に突入し、車の中で自分を刺して自殺を図った出来事があった。官邸の裏手になる溜池山王側の坂道を駆け上がって侵入した経路や、車内に小泉政権を批判するビラがあったことから、政治目的の行動かと思われたが、マスコミ報道は頭のおかしな女の人騒がせな事件として始末し、詳しい動機や背景を取材せず、本人の生命の安否を伝える続報すら伏せられた。記憶では女性の年齢は50歳前後で、あのとき小泉執行部に公認されて造反議員の選挙区に入り、毎日テレビカメラに追いかけられて時代の主役になっていた刺客ギャルの面々と同じ年代だった。4年経ち、スポットライトを浴びていた彼女たちに転機が訪れている。日本人は奢れる者に平家物語的な運命を与えるのが好きな民族だ。定評あるネットの選挙予想によれば、片山さつきも佐藤ゆかりも藤野真紀子も落選して比例で復活すら果たせない。飯島夕雁や川条志嘉や渡嘉敷奈緒美は言わずもがな。小池百合子ですら東京10区で刺客に討ち取られて比例の死線の外に出る。死屍累々。辱めを嫌った猪口邦子は出馬辞退に追い込まれた。諸行無常、盛者必衰。