最初に結論を3点述べよう。(1) この事件はNHKの7時のニュースを中心に続報が続き、最終的に御手洗冨士夫の経団連会長辞任に行き着く。(2) 大賀規久の大光は御手洗冨士夫の私的金庫であり、30億円の裏金は経団連会長レースの買収工作に使われた。(3) 事件の構図は大型で多岐にわたり、経団連ルートと大分県知事ルートの捜査の二つに及ぶ。私がこの事件を報道で初めて知ったのは、去年の9月頃だったか、NHKの7時のニュースでのことだった。他のどの新聞も記事にしてないのに、いきなりNHKの7時のニュースに大きく取り上げられ、それも2日連続だったため、直感的に感じるものがあった。NHKの報道のしかたが、あの守屋武昌が逮捕された
防衛省汚職事件に類似していたからである。大きな事件が始まる予感がした。「今年の特捜の捕物はこれか」と思った。守屋武昌の事件も季節は秋だった。あのときの、事件の幕開けを報じたNHKの7時のニュースを印象深く覚えているが、一番最初から問題のゴルフ場の映像が流された。あの事件のキーワードは
接待ゴルフだった。