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中谷巌『資本主義はなぜ自壊したのか』を読む (2) - 政治と転向
2009-01-30 23:30:00
テーマ: 社会・教養
昨夜(1/29)放送された NEWSWATCH9 をご覧になられた方も多いだろう。中谷巌が映像で出演して、新自由主義からの転向を語っていた。NHKが特に焦点を当てて引き出したのは、「日本企業の強さは現場の一体感であり、派遣切りはそれを損なう」というメッセージだった。「社会の歴史や文化の問題を無視して経済学の論理だけで構想を立てることはできない」点も強調されていた。港区で開かれている中谷巌の「講座」にカメラが入り、そこには大手企業の若手幹部が「学生」として聴講していて、中谷巌の新自由主義批判に対して激しい反論を加えていた。曰く、「派遣がいいという人間もたくさんいる」、「資本主義や市場原理主義を批判しすぎだ」、「アメリカの資本主義があったから日本経済はここまでよくなったのではないか」。現役の新自由主義者の小僧たちの威勢のいい弁である。私は鼻で笑いながら見ていた。品川でのこのセミナーは企業が金を出して社員に参加させているもので、社員たちの自前ではない。外部研修は企業が経費削減をするときは最初にカットが及ぶ費目である。
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中谷巌『資本主義はなぜ自壊したのか』を読む (1) - 懺悔と学歴
2009-01-29 23:30:00
テーマ: 社会・教養
どの本屋に行っても、中谷巌の本が最も売れる場所に平積みされている。昨年末の12/20に出版され、まだ1か月しか経ってないが、すでに10万部が売れ、売れ行きはさらに増す勢いにある。今夜のNHKの NEWSWATCH9 に出演が予定されていて、懺悔を始めてから初のテレビ出演の機会となった。遠からずサンデープロジェクトにも顔を出すことだろう。世間注目の旬の人であり、一気にマスコミで引っ張りだこされる存在になった。昨年末に週刊現代に衝撃の転向と懺悔の記事が出て注目を集め、それから東京新聞や東洋経済など多くの新聞や雑誌に登場して、竹中平蔵に先行して構造改革を扇動したことの過誤を自己批判してきた。それらの記事がネット上にも多く紹介されていて、どれを読んでも同じ内容が書かれている。実は、本にも新聞や雑誌に出ている内容と全く同じことが書かれていた。読後の率直な感想として、情報の中身という面では、わざわざ本を買ってまで読む必要はないように思われる。だが、中谷巌の「懺悔」は政治的にきわめて重要な問題だ。
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オバマ政権の対日政策 (2) - ブッシュの延長とクリントンへの回帰
2009-01-28 23:30:00
テーマ: 政治・経済
就任式を終えたオバマ新大統領の初仕事は、国務省に足を運んで新長官のヒラリーを職員に紹介することだった。そのとき、新大統領の外交施政方針の第一声とでも言うべき重要な言葉が発せられたが、それは「イスラエルの自衛の権利を支持する」というもので、イスラエルのガザ攻撃を明確に支持する意思表明だった。Let me be clear: America is committed to Israel's security. And we will always support Israel's right to defend itself against legitimate threats.. 聞きながら大いに失望させられたが、その映像が流れた1/23の報道ステーションでは、空爆で廃墟のようになったガザにカメラが入り、一人の子供が記者に向かってイスラエルの侵攻の真実を証言していた。「僕の弟は目の前で頭と胸を撃たれて殺された」。事実は誰の目にも明らかなのに、「世界の大統領」であるオバマにとっては、それは非人道的な戦争犯罪ではなく、正当な自衛権の行使であり、自由と民主主義の守護者である米国は積極的に支持すると言うのである。
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オバマ政権の対日政策 (1) - サマ-ズとガイトナ-の新自由主義
2009-01-27 23:30:00
テーマ: 政治・経済
オバマ新大統領の就任演説の細部にわたって、当の米国以上に熱心に解読作業をした日本国民と日本のマスコミは、オバマ政権の対日政策の中身に対して神経を集中させている。私の予想では、おそらくオバマ政権の対日政策には二つの任務と目的があり、二つのユニットが分業で任務を遂行するのではないかと思われる。二つの任務とは、一つは経済であり、もう一つは安全保障である。経済の面での目的は金融と産業の二つがある。金融の対日政策はこれまでと同じで、簡単に言えば、日本の富を米国に収奪することである。日銀にドルを買い支え続けさせ、日本の政府と民間に米国債を買わせ続け、日本の個人貯蓄の金融資産をドル資本に移し換え、米国経済にマネーを供給すること。産業の対日政策は、電気自動車の内燃仕様を米国のイニシアティブとして確立し、日本の自動車メーカーをアラインさせること。自動車を含めた工業製品の環境基準技術仕様を米国の産業界が主導策定する仕組みを作り、日本企業にカネを払わせて従わせ、国際標準にすること。
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佐藤優のオバマ演説解説 - 政治思想史的視角と復古反動の立場
2009-01-26 23:30:00
テーマ: 政治・経済
昨日(1/25)のサンデープロジェクトに佐藤優がテレビ初出演して、オバマ新大統領就任演説の解説をやっていた。冒頭にはクルーグマンが米国から生出演する企画も組まれていて、昨日の番組の視聴率は相当に上がったことだろう。佐藤優の解説について3点ほど。まず、R.ベラーの名前が飛び出てきたのに驚かされた。よく考えれば、佐藤優は同志社の神学部卒で宗教を勉強した学歴の持ち主であり、ベラーの市民宗教論の話が出てきても何の不思議もないが、そこからオバマ演説を新しい米国の国家神話の創設として意味づける視点は、多少の飛躍はありながらも議論としての面白さはある。岩波文庫になっている『徳川時代の宗教』の著者であるR.ベラーは、T.パーソンズの弟子であり、M.ウェーバーの方法的系譜を引く宗教社会学者である。私にとってのベラーの強烈な印象は、丸山真男への追悼文の素晴らしさであり、この機会にそのことを触れておきたい。現在、みすず書房の『丸山真男の世界』に所収されている研究者たちの追悼文の中で、最も感動的な文章がベラーの追悼文だった。
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