大阪都構想の住民投票の結果が出た。反対票が僅かに上回って薄氷の勝利となった。午後11時から橋下徹が
会見に出て、「日本の民主主義はレベルアップした」とか、「民主主義という政治体制は素晴らしい」と
言い、反対派のTwも、民主主義の勝利とか、草の根民主主義の運動の成果だとか言い、民主主義を感動的に謳歌していたが、それを見ながら違和感を覚えざるを得なかった。今回の政治は、結果オーライではあるけれど、果たして民主主義の勝利などと呼んで手放しで評価し喝采することができる
代物だろうか。「大阪都構想の危険性を明らかにする学者記者会見」の
映像の中で、富田宏司が「民主主義は熟議である」と言い、熟議を省略した性急な多数決で分断を持ち込む政治の手法を批判している。私から見て、今回の住民投票を含めた8年間の大阪の政治は、とても民主主義と呼べるものではなく、まさに低劣な衆愚政治であり、衆愚政治が生んだ腐った独裁政治そのものだった。昨夜(5/17)の橋下徹の7年半を振り返るテレビ報道の中でも、「今の政治で必要なのは独裁ですよ」と堂々と唱える過去の橋下徹の映像が紹介されたが、大阪の府市民は、1930年代のドイツ市民がヒトラーを歓呼して熱狂したのと全く同じパターンで、橋下徹に心酔して強烈な独裁を求め続けた。