昨夜(8/29)の報ステは、冒頭から40分間、延々と北朝鮮の「拉致再調査」の報道が続き、スタジオに並んだ後藤健次と武貞秀士とキャスターの古館伊知郎の3人が、これでもかと安倍晋三への賛辞の洪水で溢れさせた。これほど徹底的で壮絶な安倍晋三礼賛のプロパガンダ・ショーは、最近ではめずらしい光景だ。今年に入って、集団的自衛権の政局の中で、古館伊知郎も安倍晋三に対して批判的な姿勢に傾いていたのが、ようやく本来の右翼の思想信条に戻る機会を得て、その本懐を爆発させた感がある。古舘伊知郎の顔に爽快感が漂っていた。この政治について第一に言わなくてはいけないことは、そしてマスコミが決して言わないことは、これが安倍晋三のいつもの下劣な人気取り策であり、特に、集団的自衛権の問題で支持率を落としつつある現状で、劣勢を挽回するべく放たれた一手であるという点だ。支持率対策である。5/26のテレ朝が、安倍晋三の支持率が前回比12ポイント下落した
結果を報じていて、他局や他紙がこれに続く趨勢となっていた。5/15の集団的自衛権の会見が裏目に出た後、安倍晋三は焦っていて、この「
拉致再調査」を大々的に打ち上げて宣伝する必要に迫られていたのだ。その証拠に、今回のストックホルムでの日朝政府間交渉は、一度は
成果なしの肩すかしで終わっている。5/28の時点で、マスコミも「協議の継続で一致」とだけ
報じていた。