先週末(10/31)に発表した日銀の
追加緩和の影響で、今日(11/4)の
為替は1ドル114円まで下落した。追加緩和の報道を聞いたとき、1ドル120円まで円安が進み、来年中に130円になるだろうという予測が過ぎった。2002年以来のことだ。追加緩和と合わせた
GPIFの株式運用比率の見直しで、世界の株式市場が高騰し、マスコミが
株高を報道して騒いでいる。2年前の「黒田バズーカ」のときと同じ騒ぎ方をしていて、何とも苛立たしく不愉快な気分にさせられる。年金積立金を株式市場に投入するのだから、株価が上がるのは当然で、「市場」と呼ばれる投資家集団が喜ぶのは当然だが、株価が暴落したとき、庶民が積み立てた年金原資は吹っ飛んで消え、GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)の会計は欠損を出す。そうなると損失を国庫(税金)から穴埋めするか、年金支給額を減らすしかなくなる。国民が汗水垂らして働いて積み立てた年金原資なのだから、その運用は法律で決まっていて、運用方式を変えるときも法改正が必要かと思っていたら、政府が簡単に決定できる仕組みになっていた。国会でもほとんど議論されていない。マスコミでは何度か報道されたが、世論調査は行われておらず、賛否は示されていない。ネット上に出回る記事は、WSJとかブルームバーグとか、国際金融資本の意向を反映した歓迎論調のものがやたら多かった。また、最近のテレビ報道は安倍晋三の政策を批判するものがなく、GPIFの問題を強く批判する国民世論は形成されなかった。