今年の憲法記念日(5/3)は、近年になく憲法論議が盛り上がった一日だった。来年の憲法記念日はどうだろうか。来年の今ごろは、この改憲の政治に結果が出ている。可能性は三つある。第一は、7月の参院選で改憲勢力の3分の2を阻止し、彼らの野望を封じて憲法を靖んじている場合。第二は、参院選で改憲派の3分の2を許し、発議にかけられながら、国民投票で切り返して憲法を死守した場合、第三は、参院選を突破され、さらに国民投票も破られ、落城して改憲を果たされた場合。三つのうちどれかだ。第三の境遇の中で1年後を迎えることだけは、何としても避けなくてはいけない。政治の構図はきわめて明確になってきた。東西両軍が集結して陣を配置する関ヶ原の歴史が想起される。いつもは改憲なのか護憲なのか釈然とせず、曖昧模糊に口を濁す朝日が、そして毎日が、96条改定に反対の旗幟を鮮明にした。地方紙はほぼ全紙が社説で96条改定に反対の論陣を張っていて、中日新聞(東京新聞)は9条改定に反対だと堂々と訴えた。地方紙の社説の筆に、一戦を前にした真摯な緊張感が漂っている。安倍晋三が参院選で争点に据える公約に対して、朝日と毎日と地方紙が反対の姿勢を示したわけで、朝日と毎日は、自らの主張の正当性を参院選の結果で証明しなくてはならない。参院選の投票日は7月下旬。発議から60-180日で国民投票となる。1年後は決着がついている。勝っているか負けているかだ。