新年が始動した。去年の年が明けた今ごろ、年末に安倍晋三の自民党が選挙で大勝するとは誰も予想していないことだった。憲法改定と国防軍が争点になった選挙が行われ、極右が圧倒的な支持を受けて政権を握るとは誰も思わなかった。その直接の原因となったところの、中国と日本との関係がここまで悪化して厳しい緊張状態になるとは、ほとんどの日本人は想像もしていなかった。この1年が終わり、年末を迎えたとき、この国がどうなっているか、誰も予見することはできないし、おそらくは最も悲観的な予測のさらに上を行くような恐ろしい結末が、われわれの前途に待ち受けていることだろう。1年後に日本がどうなっているか、社会がどう変化しているか、それを見通しているのは、日本を動かしている米国の支配者(ジャパン・ハンドラー)だけだ。日本が変わる方向は彼らの意思の裡にある。われわれの意思の裡にない。われわれは、ただ押し流されるだけの存在であり、盲目的に漂流するだけだ。通勤ラッシュ時の駅の空間のように、人混みに押され、抗えないまま、突き飛ばされたり突き飛ばしたりしつつ、ある方向へ進まされるだけだ。そしてまた、確実に言えることは、われわれ日本人よりも、隣の韓国人や中国人の方が、日本社会の実相というものが透視できていて、病状が1年後にどうなっているかという診断も正確だろうということだ。