自民党の総裁に再び就任した安倍晋三の政策を並べると、次のようなものになる。①憲法を改定する、②集団的自衛権の行使を容認する、③海兵隊を新設する、④河野談話を破棄する、⑤村山談話も踏襲せず否定する、⑥靖国神社に参拝する。総裁選のタイミングで尖閣問題が紛糾する事態となり、中国で反日暴動が吹き荒れ、マスコミが政策論議を日中関係に集中させてナショナリズムを煽る報道に徹したため、最もタカ派の安倍晋三に風が吹く情勢となった。先月までは総裁候補として名前も上がってない大穴だったが、ナショナリズムの受け皿になって野党第一党の総裁となった。瓢箪から駒の最悪の結果だ。われわれの懸念は、日本のマスコミではなく韓国の報道が代弁してくれている。まさに、「国境を越えた市民社会」の感がする。日本のマスコミは、昨夜(9/26)のNW9(大越)も報ステ(古館)も、安倍晋三をスタジオに生出演させて歓迎ムード一色だった。テレビ好きの安倍晋三が、またテレビに出まくってカメラ目線に精を出す憂鬱な日々が始まる。韓国の
聯合ニュースは、昨日の速報で安倍晋三を「極右」と断定、「首相になる場合、日本の軍国主義傾向が露骨になり、韓国、中国など周辺国との摩擦が強まる」と論じた。「安倍氏が最大野党の総裁になったことにより、日本政治の右傾化の流れは加速する」とも。全く同感だ。誇張のない指摘だ。