3年前、政権交代後の行政刷新会議の座長になった蓮舫が、マスコミの前で何度も繰り返していたのが、「予算の組み替え」という言葉だった。「組み替えるんです」、「予算は付けるものではなくて組むものなんです」と、得意顔の蓮舫の説教を何度聞いたことか。東北の震災復興のための補正9兆円は、財源がなく、「ペイアズユーゴー」で「薄く広く」の所得税増税となり、延々半年以上もかけて編成と論議がされた。整備新幹線の3兆円は、年末の一瞬に「財源の目途がついた」の一言が言われ、あっさりと来年度予算に盛り込まれた。なぜ東北の震災復興には「財源の目途」がつかず、整備新幹線にはそれがつくのか。新幹線の3兆円分を震災復興の財源に回す判断と措置をしなかったのか。組み替えなかったのか。新幹線の新規工事が不要だとは言わないが、優先順位はどう考えても震災復興だろう。函館と札幌を結ぶ新幹線計画よりも、常磐線や三陸の諸路線の復旧の方が先だし、三陸の道路や橋梁や港湾を修理するのが先なのは当たり前だ。国交省に新幹線用の財源が毎年3兆円分あるのなら、その執行を一時停止して、東北のインフラ整備に充当するのが当然だろう。そう言えば、「優先順位」という言葉も、野田佳彦から何度も聞かされた。「優先順位」のために子ども手当2.6兆円は消えたが、整備新幹線の3兆円は安泰。人からコンクリートへ。