昨日(2/2)、タハリール広場に侵入して市民を襲撃した親ムバラク派のデモ隊なるものは、先週末(1/28)に忽然と姿を消した警官隊が私服姿に変装したものだった。朝日のカイロ支局の記者(石合力)が、本日(2/3)の紙面記事(3面)で現地からそう伝えている。隷米反動の砦となって腐り果てた朝日の中にも、真実を書こうとする記者が少しはいる。共同通信の
記者が親ムバラク派に囲まれて暴行を受けた件も影響しているのだろう。記事を引用しよう。「平和的に抗議行動を続けていたデモ隊に2日、ムバラク支持派のデモ隊が送り込まれ、多数の市民が負傷した。広場のまわりを固めていた軍は、支持派の流入を放置した。ムバラク政権による反政府デモ隊への容赦のないリンチである。(略)国際的な批判の高まった治安部隊のかわりに、政権側が私服警官らで官製デモを組織したとすれば、人権上も国際法上も到底許される行為ではない。軍はこれまで、反政府デモ隊に手を出さず、野党勢力との間にも一定の信頼関係があった。(略)今回、現場にいながらこうした行為を防ごうとしなかったことで、国民の軍に対する信頼も大きく揺らぐに違いない。(略)双方の対立が激化し、先鋭化すれば、事実上の『内戦』状態に陥る可能性すらある」。いい記事だ。これがジャーナリズムである。朝日の記事を褒めるのは何十年ぶりだろう。