週刊誌が総選挙のシミュレーション記事を出して売り始めた。こういう状況になると、政界も徐々に浮き足立つようになり、派閥が先行して選挙対策会議が持たれ、資金の工面が始まる。地元の対抗馬の様子を睨みながら、事務所を構え、ポスターを作りという本番への準備作業が走り出す。党本部では候補者の調整が本格化する。現在、状況は混沌としていて、解散になるのか、菅辞任になるのか先が読めないが、総選挙の場合は大きく二つのテーマが浮上する。一つは政界再編で、もう一つは消費税増税とTPP加盟の政策争点である。間違いなく、この二つが被る選挙になり、答えを出す選挙になる。そう考えると、この選挙はとても重い。重すぎて、誰もよく課題をキャリーできず、選挙の後にさらに混沌が深まるだろうと予感を持つ。力持ちがいないのだ。政界再編の方から考えてみよう。今回、選挙に転んだ場合、従来のように、民主と自民がマニフェストを提示して、二大政党の間で政権をめぐって争うというスタティックなパターンを想定することが難しい。まず、民主党が分裂して選挙に雪崩れ込む公算が高い。そして、河村たかしや橋下徹が第三勢力を興して国政に乱入する。第三勢力が支持を得て、名古屋・愛知の選挙が各地で再現される可能性が高い。つまり、国民が民主党も自民党も支持せず、二大政党から心が離れていて、第三勢力の台頭と政界再編を求めているという現実がある。