8/20の朝日新聞の1面トップに、熱中症で死亡したさいたま市の76歳の男性について記事が掲載されていた。8/19の
ブログで取り上げた事件で、生活保護を申請しながら断られ、電気もガスも電話も止めて長男と二人で暮らしていた高齢者の問題である。大見出しに「困窮10年、炎暑の死」、小見出しに「電気・ガスなし、父子孤立」とあり、単なる高齢者の熱中症死の事故ではなく、貧困と孤立が招いた社会問題だという視点で記事が書かれている。この種の問題については、毎日が真摯に取材していて、朝日もその姿勢に刺激されたのだろう。NHKの
報道によれば、この夏すでに全国で300人以上が熱中症で死亡しており、死者数も搬送者数も過去最高を記録している。この熱中症による大量死の問題は、果たして自然災害の範疇の問題なのだろうか。私がそう疑問を抱くのは、異常な猛暑は決して今年だけの出来事ではないと思うからだ。先日、NHKのお天気番組で平井信行がデータを紹介していたが、東京で35度を超える猛暑日の日数が最も多かったのは、13日間を記録した1995年だというのである。今年はそれを超える可能性があると予想を述べていたが、まだ10日間に達していない。3年前の2007年は今年以上に猛暑で、埼玉県の熊谷で40.9度の最高気温を記録したが、今年はまだ40度を超えた日はない。そして、1995年も、2007年も、熱中症による死者数が大きく報道される事態はなかった。