7/25に放送された、NHKの『プロジェクトJAPAN』は見応えのある番組だった。シリーズ「日本と朝鮮半島」の4回目で、戦後日本の在日朝鮮人の歴史と法的地位の問題が描かれていたが、内容が秀逸で、蒙が啓かれた感想を持つ。今回の放送に比べれば、過去の3回はやや平板で、踏み込みが不足していた印象を受ける。今回の映像と説明は、極右の安倍政権下であれば制作が困難だったのではないかと思わせる充実した中身に仕上がっていた。番組で紹介された歴史は、われわれにとって本当に重い。7/25の放送を見ていると、いわゆる戦後日本、われわれの国家である日本国のアーキテクチャーに在日朝鮮人という問題が根幹から関わり、重大かつ深刻な意味を持っていた事実に驚かされる。この歴史の事実は、その重要性に較べて語られることが少なく、意図的に目を背けられ、教育の場で教えられてこなかった。7/25の放送の内容は、中学3年の公民で、日本国憲法と戦後改革について授業するときに生徒に教えなければいけない課題だ。これは過去の問題ではなく現在の問題で、外国人参政権の問題としても今日の政治の争点となっている。外国人参政権の問題を原点から考えるに当たって、7/25のNHKの放送は実に有意義な情報を提供していた。GHQの憲法草案の中に「外国人の権利」が条文規定されていた事実を私は知らなかった。どこかで読んでいたかもしれないが、知識として残っていなかった。