報道の印象では、マスコミが普天間問題の5月末未決着を理由にして、一気呵成に鳩山内閣の倒閣キャンペーンに打って出た感がする。今日の朝日新聞の1面には、「普天間5月決着 絶望的」の見出しの記事があり、ワシントンでの10分間の非公式首脳会談において、オバマが普天間問題で一切の言質を与えず、鳩山由紀夫の意に反して門前払いの対応だった実情が描かれている。記事の論調は、米国側の立場に立って鳩山政権を批判するもので、米国側の論理と主張をそのまま代弁するものであり、米国政府の対応を正当化して日本の読者に刷り込む内容になっている。曰く、「今後、大統領の政治決断を引き出せなければ、5月末の決着は不可能で、鳩山首相は政治責任を厳しく問われることになる」。社説の表現はもっと露骨で、見出しに「普天間移設 鳩山首相にもう後はない」と書き、無理に5月決着を約束したため、責任不履行になって土俵際に追い込まれたと突き放している。こうした論調で世論を煽り、さらに鳩山内閣の支持率を落とし、倒閣に追い込もうとする意図が明瞭に窺える。どれほど足掻いても、辺野古沖の現行案しか米国は認めず、その選択しかないという朝日新聞の説教を政治と国民に与えている。辺野古沖現行案の合意の原点に立ち戻るか、内閣総辞職か、二つに一つを選べと米国政府と日本のマスコミが共同で鳩山政権を追い詰めていて、政局は緊迫の度を増しつつある。