昨夜(12/9)、
大越健介が米韓軍事演習に日本も積極参加する意義を説き、それに豪州とインドまで加えた中国封じ込めの世界軍事戦略をプロパガンダしていた。それを聞きながら、「自由と繁栄の孤」を思い出した。昨年の政権交代によって、地上から消滅したはずの麻生太郎の反中反共ドクトリンが、甦って日本外交の基軸政策に軌道定置されている。言葉としては言われないが、今の日本政府が採択している安保外交指針の内実は、まさしく麻生太郎の「自由と繁栄の孤」だ。60年前のケナンの対ソ戦略と同じで、中国を包囲し軍事圧力をかけて体制崩壊を狙う冷戦政策である。しかも単に概念が復活しただけでなく、民主党政権の下で自民党時代よりもずっと積極的に政策行動が具体化され既成事実が固められている。今後の長期の安保外交路線としてコンクリート化されている。豪州軍と自衛隊の間で、すでに相互協定が締結されているが、普通に考えて、これなどは集団的自衛権の行使禁止に明白に抵触する違憲行為ではないか。国会で何も論議がないのが不思議だ。南半球で任務する豪州軍の作戦活動に、専守防衛の自衛隊が支援協力する必要がどこにあるのか。自衛隊の専守防衛の範囲は、赤道を越えて南極にまで達するのか。すべてが「周辺国との連携協調」の言葉で正当化されているが、これは経済ではなく軍事の国策行為である。国民の税金を使っている。常識で考えて異常で、憲法9条の逸脱である。