沖縄知事選は4年前に続いて今回も敗北。民主党の支持がなかったとはいえ、伊波洋一という傑出した候補で現職と一騎打ちして、勝利できなかったという点は問題が多い。都市で大票田の那覇で惨敗した点が注目されているが、まさにそこが問題の中心だろう。従来型の社共革新の選挙では勝てない。昔は、革新勢が都市部で票を集めたが、現在は逆の構図になっている。無党派は保守的で、都市部の中間層が保守・新自由主義の牙城なのだ。今回、伊波洋一を押し立てた勢力は、昨年からの普天間問題の盛り上がりの順風を選挙に生かせなかった。本来、勝たなければいけない選挙であり、勝って当然の選挙であったにもかかわらず。沖縄の人々は、普天間を国外に移転する機会をまた自ら潰した。選挙主体の側だけでなく、正直なところ、沖縄県民に失望を覚える。知事選で民意を示さずして、どうやって基地撤去の政治を導けるのか。辺野古の海が埋め立てられた新基地からオスプレイが飛び、それが民家に落ちて犠牲者が出るまで、それまで待つというのが県民の意思だろうか。基地と見返りの振興費では、沖縄経済は立ち行かないというコンセンサスができていたのではなかったのか。6月のクーデターからの経緯があり、尖閣問題があり、本土では状況が一変し、沖縄知事選への関心がすっかり失われていた。私も記事は書かなかった。それには理由がある。