この梅雨空の下、炎天下の中、50代の男たちが職探しで街を歩いている。2時間待ちのハローワークの窓口に並び、大昔の記憶を思い出しながら履歴書を清書し、ネクタイとスーツの暑苦しい格好で歩いている。日本の50代というのは、子供の教育にお金がかかる時期で、この年代で給料が高くなる理由はそのためでもある。企業からすれば、最も不採算で不合理な労働力となり、コスト削減の第一の標的に狙われる。昨夜(6/30)のNHKのNW9では、派遣切りに遭い、雇用保険で食い繋ぎながら職探しをしている42歳の男性が紹介されていた。NHKのニュース番組にはこうした現実が内在的に映し出される。彼は25社に応募し、全て採用を断られていた。年齢の制限が大きいと言っていた。単身者だった。岡山の津山で55歳の女性がパートの仕事を探しにハローワークを訪ねる映像もあった。共働きしていた娘夫婦のうちの娘が職を失い、幼い孫の面倒を見ていた彼女が働きに出なければならなくなった。だが、新聞折込の求人広告は激減し、ハローワークに行ってもパートの募集がない。今は、パート職に主婦だけでなく元正規職の男性が殺到していて、少ないパート職が奪い合いの状態になっている。
有効求人倍率が過去最悪の0.44倍の現実が見せられていた。