ニューズウィークの
2/25号の特集タイトルは
『社会主義化するアメリカ』で、「大きな政府」の問題と銀行国有化の問題が論じられている。と言っても、記事の中身はさほど詳しいエコノミクスの議論が紹介されているわけではなく、日本で言えば、週刊東洋経済や週刊エコノミストではなくて、せいぜい週刊朝日とか週刊文春の記事のレベルを少し上げた情報に過ぎず、専門家ではなくジェネラルな論説者の記事で内容が構成されている。インテリジェンスの深さや高さを感じさせる分析の提供は特になく、米国経済の現状や動向についての知識を得る目的にも適わない。ただ、米国の現在の
気分を知ることができる。それはよく反映されている。ニューズウィークは日本でどれほど売れているのだろう。この雑誌を国内で商品として購入する層の需要と動機を考えると、新自由主義のイデオロギー支配という問題が否応なく思い浮かんでくる。週刊朝日や週刊文春の英語版が米国で売られ、それを多くの米国人が「有用情報」として積極的に購読する図などおよそ想像できないが、われわれがやっていることはそういうことだ。