事業仕分けの政治が続いている。マスコミ報道は、科学技術関連の予算の削減については注目し、反論の声を上げている現場にカメラを入れるが、国民生活を削る仕分けに対しては国民の関心を向けようとしない。マスコミが演出して宣伝する華やかな政治ショーの舞台上で、弱者の生活を切り捨てる
冷酷な仕分けが行われている。11/24の仕分けでは、国交省の赤字バス補助金や離島航路補助金が対象になり、地方の赤字バス路線の車両購入費10億円が廃止と決まった。NHKのニュースの映像では、山梨県の赤字バス路線の経営者が登場し、地方の赤字のバス会社の体力では路線の維持が精一杯で車両の買い換えなどとてもできないと訴えていたが、仕分け会場の枝野幸男は、銀行融資で買い換えさせろと国交官僚に指示していた。銀行融資に政府保証を付けろという提案らしいが、政府保証を付けるということは買い換え費用を国が予算計上するということと同じではないか。要するに、地方の赤字バス路線は廃止させ、そこに予算を投入するなという主張であり、地方の赤字バス会社に補助金を投入するのは「税金の無駄遣い」だという論理である。離島航路の方は、後半戦から仕分けに参加した亀井亜紀子の一声で削減が免れたが、官僚の無駄遣いを省くのが目的の事業仕分けで、なぜ地方の赤字バス路線や離島航路への補助金が対象になって俎上に乗るのだろう。