オバマ新大統領の就任演説の細部にわたって、当の米国以上に熱心に解読作業をした日本国民と日本のマスコミは、オバマ政権の対日政策の中身に対して神経を集中させている。私の予想では、おそらくオバマ政権の対日政策には二つの任務と目的があり、二つのユニットが分業で任務を遂行するのではないかと思われる。二つの任務とは、一つは経済であり、もう一つは安全保障である。経済の面での目的は金融と産業の二つがある。金融の対日政策はこれまでと同じで、簡単に言えば、日本の富を米国に収奪することである。日銀にドルを買い支え続けさせ、日本の政府と民間に米国債を買わせ続け、日本の個人貯蓄の金融資産をドル資本に移し換え、米国経済にマネーを供給すること。産業の対日政策は、電気自動車の内燃仕様を米国のイニシアティブとして確立し、日本の自動車メーカーをアラインさせること。自動車を含めた工業製品の環境基準技術仕様を米国の産業界が主導策定する仕組みを作り、日本企業にカネを払わせて従わせ、国際標準にすること。