タイムフライヤーは後方2番手から捲ってメンバー最速の35.5秒で大外から差し切ってレースを制した。勝ちタイムは2分1秒4。トラインが逃げて前半5F59.6秒。レースの後半5Fは61.8秒。上がりの掛かる消耗戦になり、道中10番手以下に控えた3頭が上位を独占した。タイムフライヤーは前走スローペースで前に行ったが、今回は速い流れで後方2番手に控え、勝負どころで大外を回さずに上手く捌いてきた。芝2000mで前に行ってタフな馬場で厳しい展開になったときにどうかとみていたが、Cデムーロ騎手が後方に控えて脚をタメることで上手く対応させた。社台白老ファーム生産で馬主はサンデーレーシング。人気馬の中では最も内に配置されていた。同日の500万条件は前半5F59.9秒で勝ちタイムは2分1秒5。勝ち方は派手だったが、流れを考えると勝ちタイムは遅くレースレベルは高くない。8月にデビューして今回が5戦目。松田国調教師が早い時期から仕上げており、今回馬場の硬い中山で激走したことがどう出るか。体型的に距離は1800mあたりがベストか。
ジャンダルムは8枠15番スタートから中団につけ、勝負どころで押し上げ、メンバー3位タイの36.2秒で伸びて0.2秒差の2着。直線で抜け出したが、最後にタイムフライヤーに差された。外を回っていい脚を長く使っており、距離2000mでも問題ないことを示した。中山に輸送して馬体が10キロ増えていたが、全体的に実の入りが良くなってパワーアップした印象で太め感はなかった。京都2歳S2着馬とデイリー杯2歳S勝ち馬で決着。2歳重賞は重賞実績通りの決着が多くなっている。さらに賞金を加算できたことでゆったりとしたローテーションでクラシックに出走できそうだ。
ステイフーリッシュは後方から勝負どころで押し上げてメンバー2位の35.9秒で伸びて2着にクビ差の3着。直線でエンジンの掛かりが遅かったが、最後にいい脚を使って2着馬に迫った。新馬戦を勝った直後の重賞挑戦。キャリアの浅さが出ただけで上位2頭と大きな能力差はなさそう。現時点で馬体が枯れているように映るため、これから実の入りが良くなってパワーアップするかどうかがポイントになる。中谷騎手は乗り替わりにならなければ、この馬で重賞初制覇できるのではないか。
サンリヴァルは2番手から早めに先頭に立ったが、最後に一杯になり0.6秒差の4着。直線で抜け出してしぶとく伸びているが、結果的に流れが速過ぎた。時計、上がりの速い馬場に課題がありそうだが、前に行けるため、どこかで穴をあけてもおかしくない。
ナスノシンフォニーは大外枠スタートから外に逸走し、道中は後方2番手。勝負どころで外から上がってメンバー3位タイの36.2秒で伸びて0.6秒差の5着。いい脚を長く使っているが、前半のロスが痛かった。スタミナがあり、長い距離が合うタイプ。レース後に左前脚の屈腱炎が判明した。
ルーカスは中団から伸び切れず1.0秒差の5着。直線で抜け出しかけたところで一杯になった。道中外を回って馬を前に置けず、少し折り合いを欠いていたことが堪えている。馬体の造りはいいが、現時点ではもう少し短い距離の方が合っている。
フラットレーは中団の馬込みを進んだが、勝負どころでルメール騎手の手応えが悪くなり、直線で伸び切れず13着。パドックで馬体、気配とも目立ち、仕上がりは良かっただけに現時点では力負け。ハーツクライ産駒で中身の成長が遅いのだろう。