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湯浅誠の中間層論 - 中間層の反動化と戦後社会科学の中間層論
2009-10-23 23:30:00
テーマ: 政治・経済
少し前の記事で紹介した『経済成長って何で必要なんだろう』の本の中で、湯浅誠が興味深い中間層論を示している。この議論がずっと気になっていた。対談での発言を拾うと、次のように言っている。「いま正社員も含めた中間層が、物理的に落ちてきています。年収400万から800万の世帯がどんどん減ってきている。そのことと、自己責任論が力を持つことが、ちょうどセットになって起こっている。この、体は落ちているけれど、頭は上をめざすという分離、ねじれを包みこんでいかないといけない。結局、中間層を敵に回したら、社会的な影響力を持ちようがないですから、それを解きほぐす理屈なり言い方なり呼びかけなりというものができないものかと、ずっと思っているんですけどね」(P.178)。「そこは戦略的に運んでいます。累進の話をあまり言うと、中間層を敵に回しますからね。それは結局、先ほど言った中間層の分離に関わってきます。自分自身の生活がきつくなっていけばいくほど、彼は成功者に憧れ、下には厳しくなる。『成功せねばならない。自分に投資して何とか生き残らなきゃならない』というふううに。そうやって頭と体が分かれていくので、累進課税の復帰とかを言うと、一番過剰に反応するのは中間層になってしまう。もちろん私も、累進課税強化がいいと思います。だけど、いまその話をすると、『おまえは共産党か』とレッテルを貼られる。そこには国会の勢力図だけじゃなくて、それを支持する中間層の動きがある。だから、私がいの一番に累進課税を言えないのは、戦略的な問題です」(P.191-192)。  
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