昨年の12/9に報ステが特集した集団的自衛権の
映像は、放送された直後も大きな反響を呼んだが、半年以上経ち、安保法案が国会で審議されている現時点で見ると、その衝撃はさらに強烈に伝わってくる。秀逸なテレビ報道の作品というものは、こうして時間が経った後で価値を増し、繰り返し何度も見られて人々に記憶されるのだろう。ここでは二人のいわゆるジャパンハンドラーズ - 一般には知日派の安保外交専門家と呼ばれる米国工作員 - が登場し、新ガイドライン策定後および安保法案成立後の自衛隊の活動について具体的に期待が述べられている。一人は民主党系シンクタンク(新米国安全保障センター)シニアフェローのデビッド・アッシャーで、もう一人は共和党系シンクタンク(アメリカン・エンタープライズ研究所)日本部長のマイケル・オースリンだ。民主党系のアッシャーは、自衛隊にはイスラム国掃討後のイラクでPKO活動をやってくれと言っている。戦闘は米軍がやるから、治安維持は自衛隊が引き受けてくれと。共和党系のオースリンは、南シナ海で中国軍とコンバットをやってくれと言っている。米国はこの地域で中国と戦争するつもりはないから、自衛隊が担当してくれと。自衛隊は優秀な装備と能力を持っているので、実戦の戦闘経験を持つべきだと勧めている。私が何度もこの映像を紹介するのは、安保法制と新ガイドラインの狙いが端的に示されているからだ。