「一人一票実現国民会議」は、本当は何を目指した政治団体なのだろう。発起人・賛同者の
リストが妙に怪しい。「一票の格差」と聞いて思い浮かべるところの人々とは少しイメージの異なる、もっと毒々しい有名人がズラリと並んでいる。奥谷禮子、川本裕子、宮内義彦、古賀茂明、野村修也、三木谷浩史。前三者は小泉政権のときに構造改革の要所で腕をふるった面々で、その活躍ぶりは記憶に新しい。小泉純一郎や竹中平蔵とともに一つの記憶の籠の中にある連中で、小泉構造改革のオールスターズである。後者は、前者に代わって現在進行形のキャラクターズで、言わば安倍・橋下構造改革の主力メンバーである。櫻井よしこ、屋山太郎、すぎやまこういちといった札付きの右翼も顔を揃えている。全体に感じる傾向は、小泉純一郎の時代に活躍した論者が多く、極端な親米・ネオリベ原理主義へと社会を牽引した功労者たちだ。「一人一票実現国民会議」の事務局は、どういう基準でこれらの面々を発起人・賛同者の名簿にピックアップしたのだろうか。「一票の格差」の問題は、昨年後半から急にマスコミで取り上げられるようになった感がある。特に朝日が、テレビ(報ステ)を使って執拗にキャンペーンを打っていて、洗脳エバンジェリズムの主軸に三浦俊章がいる。ポスト若宮啓文の、右寄り・新自由主義寄りに体制再編した朝日を象徴する図だ。これは、司法官僚とネオリベ弁護士団とマスコミが裏で結託した、正義の仮面をかぶった陰険な政治工作ではないか。