2018-07-18 18:14:00
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前回の記事で、西日本豪雨災害の救助活動における消防と警察の不作為について論じた。この問題は、特に自衛隊の活動に焦点が当てられ、マスコミでもネットでも「初動の遅れ」という表現が与えられて議論されている。だが、この言葉は問題を正確に認識する上で不適当であり、あくまでザインではなくゾルレンの視角から考えるべきで、法的観点から問題を捉えた場合、「不作為」という言葉で説明と理解がされ、責任が追及されなくてはいけないだろう。災害対策基本法という法律がある。政府と自治体は、この法律の規定に則って対応しなくてはならない。法律を守らなくてはならない。災害が発生した場合は、国民の命を守るため、しかるべき立場の者がしかるべき行動をしなくてはならないのであり、それは、ドライバーとして車を運転する者が、ハンドルを握っている間、道路交通法を守らなくてはならないのと同じである。「初動の遅れ」という議論は、法的な義務と責任を曖昧にするもので、災害対策基本法の拘束から責任主体を免責する、すなわちゾルレンの次元をザインにする、日本人らしい無責任化の思考として注意する必要がある。