激戦が伝えられていた名護市長選は、開票と同時という意外な早さで基地反対派の稲嶺進が当選した。事前の報道では、当選が決まるのは深夜になるだろうと言われていた。最終的な開票結果を見ても、両候補は僅差で決して圧勝とは言えない。1/23(土)に名護市街と辺野古を訪れて、稲嶺進の選挙事務所や辺野古の座り込みテントの人から話を聞いたときも、楽観的な予想は誰の口からも出ず、ほとんど半分は負けを覚悟したような口ぶりだったのに驚かされた。「勝っても負けても同じだ」、「勝ち負けは関係ない」。そういう言葉が返ってきたので、ひょっとしたら逆転敗北の事態もあるかなと思っていた。実際のところ、現行案支持の民意を得たい政府側は、現地に相当なテコ入れや締めつけをしていたのだろう。投票前日の1/23の午後、辺野古漁協の座り込みテントに辿り着いたとき、そこに偶然に大田昌秀がやって来た。今回の名護市長選の勝利は、敗北した2年前の岩国市長選以来の画期的な意義があるもので、日本の政治史に残るものと言える。ここから勝ち続けなくてはいけない。今年末の沖縄県知事選を勝ち、日本の政治の流れを変え、変化の方向を不可逆的で普遍的なものに固めなくてはいけない。政府が締めつけをするのは米国が日本政府を締めつけるからで、米国にそれを諦めさせ放棄させる必要がある。米国側は参院選と県知事選で巻き返しを図ってくるだろう。