小沢一郎が年末の政治の主役になっている。政治の主役と言うより、政治エンターテインメントの中心と言うべきかもしれない。現在の政治とその報道の世界は、他の趣味や道楽に金と時間をかけられない貧乏な大衆向けの娯楽提供の要素がとても強くなっている。先週号の週刊文春、今週号の週刊現代、週刊朝日、週刊新潮と、小沢一郎関連の政局記事で部数を売っている。昨夜(12/23)の報道ステーションも、小沢一郎ネタの政局談義で視聴率を稼ぐ企画で、星浩と田崎史郎の二人をスタジオに並ばせ、面白可笑しく小沢一郎と鳩山由紀夫の周辺の内幕と動向を放談させて視聴者を楽しませていた。鳩山政権に癒着している星浩からは興味を惹く話は出ず、民主党政権の円満と安泰が吹聴されるだけだ。自民党寄りの田崎史郎からは刺激的な話題が飛び出し、政治趣味の者たちを喜ばせ、政界と世論に一つの小さな波紋を作る。田崎史郎の歳末大売り出しの新ネタは、小沢一郎が鳩山由紀夫を見限った場合、ポスト鳩山の御輿として原口一博を担ぐだろうという漫談だった。このネタの商品価値は原口一博という特定の名前をポスト鳩山に挙げた点にある。発言の真意を探るならば、田崎史郎が原口一博を買っていて、投資株として接近を試みているか、二人がすでに深い関係にあるという内情だろう。夏の総選挙の投票日直前、すでに民主党の圧勝が確定的な情勢の中で、三田園訓は官房長官人事を細野豪志だと予想していた。汚い癒着である。